今回はThe Touch-Base Podcast Episode 3。「アメリカ・カナダ向けサイト構築!SEO視点でのサーバー・ドメインの選び方」をご紹介。
ウェブサイトを英語化すれば、世界中の検索エンジンに引っかかって、全世界のユーザに向けて発信される・・・わけではありません。重要になるのはGeoターゲティングという考え方。今回は、Geoターゲティングの中で重要になるサーバーとドメイン選びの考え方をわかりやすく解説しました。これから、アメリカ・カナダ進出の際に、ウェブサイトを主軸にデジタルマーケティングを展開していく会社は必見です。
トランスクリプト
みなさん、こんにちわホストの野村です。
さて、今回で3回目。
ありがたいことに、またもやフィードバックを頂きました。
ちょっと遊び、というかアドリブがあればもっと良くなるんじゃないかというご意見を頂きました。
本当におっしゃる通りだと思います。
実はこのPodcastは台本を作って、それを元に読んでいるんですが、
アドリブで喋ると、「えー」「あのー」とかを連発してとても聞きづらいので、これはいかんと思って台本を作るスタイルに切り替えた・・・という経緯があります。
本当はアドリブで喋りたい!ここは今後、慣れてきたら徐々にできるようになりたいなと思います。
ただ、確かにエンタメ性も必要だと思うので、アドリブではなく何か他の形でできれば良いなと思ってます。
例えば、マスオさんを飲みに誘うアナゴさんの物真似、グーフィーの物真似とかできます。
あとは昔の劇場版コナンの予告の時に「蘭ー!」と叫んで、蘭に無視される毛利小五郎の物真似とかもできます。ニーズがあれば教えてください。
では本題の「アメリカ・カナダ向けサイト構築!SEO視点でのサーバー・ドメインの選び方」どうぞ
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「ウェブサイトを英語化すれば、世界中の検索エンジンに引っかかって、全世界のユーザに向けて発信される!」
こう考えている方、いらっしゃるのではないでしょうか?
サイトを英語化したからといって、全世界の英語圏ユーザからのトラフィックが生まれ、売上が増えるか?というそういうわけではありません。
例えば、日本特有の観光資源を調べていたり、特定のサービス・プロダクトについて調べている、世界中で同様のサービスを提供している会社がない、ほとんど指名検索に近いようなケースを覗き、これには当てはまりません。
これはどういうことか?
鍵になるのがGeoターゲティングという考え方。
検索結果は国によって、全く異なります。
例えば、同じ英語圏でもイギリスの検索結果、アメリカの検索結果では全く違いますし、検索のワードによっては、アメリカ・カナダ間でも大きく検索結果が異なるケースがあります。
そのため、アメリカの顧客をターゲットにする場合は、アメリカに。カナダの顧客をターゲットする場合はカナダに。レストランや病院など地理的条件が鍵を握るなローカルビジネスの場合は、国単位ではなく街単位でのローカライゼーションが重要になります。
では、どのようにしてGeoターゲティングするか?
Googleがウェブサイトのロケーションを決める際に、使用しているSignalは次の通りです。
1. ドメイン名
2. サーバーのロケーション
3. Google Search Consoleの International Targeting
4. Google My Business上の情報 (NAP, Reviewなど)
5. サイト内のコンテンツ、NAP (Name, Address, Phone)
6. その他 3rd partyのディレクトリーサイトの掲載情報 (Internet Yellow Page)
7. 言語
8. Link元のドメイン (国・ローカル)
9. Social Signal
今回は1と2、ドメイン名とサーバーのロケーションについてご紹介していきます。
これから、アメリカ・カナダ進出の際に、ウェブサイトを主軸にデジタルマーケティングを展開していく会社は必見です。
本編の最後には、実際の私の失敗事例にも触れていますので、最後までチェックしてください。
Domain Extension選び .com?.ca?それとも・・・?
ドメインの種類は大きく2つ
ccTLD (Country Code Top-level Domain)とgTLD (Global Top-level Domain)があります。
ccTLDは日本だと”.jp”、カナダだと”.ca”, “.fr”などがあります。
gTLDは、”.com”,”.net”など世界共通のドメインのことを指します。
結論を先に言ってしまうと次の通りになります。
アメリカを相手にする場合は、.com
カナダのみを相手にする場合は .ca
アメリカ・カナダ両方の場合は .com
ほとんどのケースでは、.com一択です。
アメリカには”.us”というccTLDがありますが、これはほとんど使われていないので、.comの方がオススメ。
例外として、今後もカナダ向けにしかビジネスをやらないと考えている場合のみ.caドメインの購入を検討しても良いかと思います。
その理由としてカナダの検索結果では当たり前に、アメリカの.comサイトが出てきますが、アメリカの検索結果で.caのサイトが出てくることはほとんどありません。
.me, .mu, .tv, coなどのドメインについて
スタートアップ企業などで、これらのドメインを使用しているケースを見ますが、注意が必要。
これらはccTLDで、それぞれ該当する国があります。
例えば、.meはMontenegro、tv.は地球温暖化によって沈むのではないかと言われている国tuvaluのドメインです。そして、coはコロンビア。
あまりに、関係ないの国でこういうドメインを使用されるケースが多いので、中にはgTLDとして扱うようにしているドメインも存在しているようです。
ただ、リスクの部分を考えると、無闇にこういうドメイン名を選択しない方が無難です。
ドメイン名は口で伝えやすいものが原則
ウェブサイト英語化のポイント10個の記事でも触れましたが、原則ドメイン名は口に出して伝えやすいものであるべきです。
日本人の感覚として、ドメイン名を直接タイプしてウェブサイトにアクセスするという習慣があまりありませんが、アメリカ・カナダではそれが一般的です。また「サイト名は?」と聞かれた時に口頭で伝えたり、PodcastやラジオなどでスポンサーのウェブサイトのURLを直接読み上げているケースもよくあります。
以上から、声に出して読み上げた時に誤解されにくい文字列を使って、シンプルなドメイン名を選ぶことをおすすめします。
例えば数字の”Five”の場合、”5”なのか”Five”なのかわかりづらい、ワードの区切りとして”-”や”_”を使うと読み上げる時に言い辛い、または数字と同じように”dash”なのか”-”わかりづらいという状況になります。
そのため例えば、Nomura Marketingという会社名の場合はシンプルにnomuramarketing.comのドメインを選ぶのが一番理想的です。
サーバーはアメリカのサーバーを使う
次にサーバーの話。
原則として、利用者に一番近いサーバーを使った方が、接続スピードが速く高評価を受けます。
接続スピードの速さは厳密には距離の近さと比例するわけではありませんが、長くなるので今回は省略。
また、最近ではCDN (Content Delivery Network)という仕組みがあり、利用者に一番近いネットワークに接続しコンテンツを供給できる仕組みがありますが、それでもアメリカ利用者向けであれば、アメリカのサーバーのホスティング会社と契約するのが無難です。
では、カナダ向けの場合はカナダのホスティング会社と契約すべきか?というとそうではありません。
その理由は、カナダのサーバー会社のほとんどは大昔のサーバーを使っていて、機能面でかなり劣っているからです。
実際に、カナダでプロジェクトをやっていた頃、ほぼ全てアメリカのホスティング会社を利用していましたが、特にSEOで悪影響が出たこともありません。おそらく、ほとんどのカナダのビジネスがアメリカの会社を使っているのがその原因ではないかと見ています。
ドメイン・サーバー選びの重要性がわかる3つの事例
ここからは実際の事例を見ながら、ドメイン・サーバー選びの重要性を説明していきたいと思います。
事例 1: ドメイン: .net、サーバー & インターナショナルターゲティング: アメリカ、所在地情報: カナダ
事例一つ目は、カナダのバンクーバーに拠点を置く、MaaSのコンサルタント。
MaasとはMobility as a serviceの略で、クライアントは政府や企業と協力して、カーシェア、バイクシェアなどの仕組み構築・トレーニングを行うビジネスをやっている会社。
拠点はバンクーバーですが、Google Search Consoleのロケーションターゲティングはアメリカ、ドメインは.net (gTLD)でサーバーはアメリカのものを使用。
このプロジェクトでは、主要都市
サンフランシスコ、バンクーバー、ロンドン、ベルリンにて検索順位を計測していました。
結果、サンフランシスコとバンクーバーの順位は安定したが、ロンドン、ベルリンは上昇や下降を繰り返しなかなか、安定しませんでした。また、ビジネス拠点があるバンクーバーよりも、サンフランシスコの順位が安定したのが意外でした。
これを例えば、.caドメインを使っていると状況は全く異なっていただろうなと思います。
事例 2: ドメイン: .net、サーバー: アメリカ、インターナショナルターゲティング: 日本、所在地情報: なし
次の事例は、私の運営しているTouch-Base.netの話。
これはアメリカ進出とは逆パターンの話ですが、参考になると思うので紹介。
ご存知の通り、日本にいる日本向けのウェブサービスですが、自身の勉強も兼ねて、godaddyにてドメインとサーバーを契約しました。
ドメインは.netなので、gTLDドメイン、サーバーはアメリカだったと思います。
しかし、これが大失敗。
日本語だから、当然日本がメインのターゲットになるだろうと思っていましたが、全く日本のGoogle.co.jpでヒットせず、サーバーとドメインを日本の会社に移管。そこから徐々に検索トラフィックが上昇。以下が自然検索の推移となります。
(※サイト改修のタイミングもあるので、単純にサーバー・ドメインの移管だけでここまで伸びたわけではないが、それまでの推移を見ると、ここが転機になっているのがわかる。)
サーバー、ドメインのロケーションの重要度がわかるかと思います。
事例 3: ドメイン: .mu、サーバー: ???、インターナショナルターゲティング: 日本、所在地情報: 日本
最後の事例はみなさんご存知のNoteの事例。
別にNoteは私のクライアントでもなんでもありませんので、一ユーザの目線として。。。
Touch-Baseの前身となる、個人ブログ「カナダ・バンクーバーでマーケティングしている人のブログ」を開設した時、ブログのプラットフォームを「Note」か「はてなブログ」を使用しました。
当初はNoteをメインにしようと思ったが、実際に2-3記事アップすると検索の表示のされ方が全く違ったので、Noteを辞めて、はてなブログをメインにすることにしたという経緯があります。
もちろん、「はてなブログ」と「Note」を単にDomain Extentionだけで比較はできませんが、3年ほどの前の段階では同じ記事でも全く検索での表示のされ方に差が出たのを覚えています。
ちなみに、noteの内部では、こういう検索の問題もあり、ここ1ヶ月でnote.mu -> note.comに移行するようです。。数百万ページあるのに大変そう・・・。
まとめ
今回は「アメリカ・カナダ向けサイト構築!SEO視点でのサーバー・ドメインの選び方」についてご紹介しました。いかがだったでしょうか?
次回のテーマはまだ未定です。
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