今回はThe Touch-Base Podcast Episode 4。「小売のアメリカ進出のテストマーケティングには Amazon.comへの出品+αが必要だと思う理由」をご紹介。小売のテストマーケティング = Amazon.comへの出品みたいな風潮に警鐘を慣らす意味で、今回のPodcastを作成しました。参考にしてください。
トランスクリプト
みなさんこんにちわ。
ホストの野村です。
前回のPodcastから少し期間が空いてしまいましたが、今回はPodcast Ep.04ということで、小売がアメリカ進出の足掛かりとして、もしくはテストマーケティングのプラットフォームとしてよく名前が上がるAmazon.comの利用について私の経験をシェアします。
前回のPodcastのEpisodeにて、物真似できますよって話をしましたが、別に物真似なんていらないとのことでした。ガーン・・・という気持ちを抑えながら、今回も張り切ってPodcastをやっていきたいと思います。
前回のPodcastから2週間近く経ちましたが、この2週間で色々ありまして、Touch-Baseのインタビューコンテンツ経由でビジネスにつながったという話を続け様に何件か耳にしたり、他ビジネスとのパートナーシップの話などがありました。
Touch-Base経由でビジネスに繋がったという話に関して、数こそ少ないですが、定期的にそういう話を聞きます。Touch-Baseの活動の目的の一つにアメリカ・カナダでビジネスやっている人の情報の発掘というのもあります。そもそも、日本側に情報発信ができていない人が多いので、このギャップを埋めるお手伝いになっているのは素直に嬉しいです。
パートナーシップに関して何か動きがあれば、アップデートしますので、そちらもお楽しみに。
小売のアメリカ進出のテストマーケティングには Amazon.comへの出品+αが必要だと思う理由
では本題の「小売のアメリカ進出のテストマーケティングには Amazon.comへの出品+αが必要だと思う理由」について、
参入障壁が低いAmazon.comはよく小売のアメリカ進出の足掛かりやテストマーケティングを行うプラットフォームとして名前が挙がります。
ただ一方で、私の経験ではAmazon.comに出品するだけで売上が上がるか?そもそもテストマーケティングになるのか?というのは疑問です。
ちなみにDisclaimerとして、私のAmazon.comに携わったプロジェクトの経験は1件だけです。そのため、今回お話する内容が必ずしも全ての状況に当てはまるわけではない点に注意してください。逆にもし、こういううまくいった事例があるという話があればシェアしていただけると幸いです。
ただ、小売のテストマーケティング = Amazon.comへの出品みたいな風潮に警鐘を慣らす意味で、今回のPodcastを作成しました。参考にしてください。
さて、いつも通りまずは結論から
テストマーケティングを行う際、物流の面でAmazonを使用するのはあり、しかしマーケティング機能もAmazonのプラットフォームに頼るのは難しいというのが私の結論です。
「なぜ、そういう結論に至ったのか?」
「ではテストマーケティングをする上でどうすべきか?」
これらを順を追って説明していきたいと思います。
まず、私がプロモーションを担当したプロダクトについて説明できる範囲で簡単に説明すると、個人で開発した商品で、市場に他に類似商品が存在せず、一目見ただけだとどういう風に使うのかよくわからない商品。
価格帯は異なりますが、イメージ的には100円均一で売っているような、アイデア商品のようなものをイメージしてもらえればと思います。
製造は全て中国に外注し、アメリカ消費者向けに販売していくという、アメリカではよくあるスキーム。
ちなみに、アメリカのビジネスがアメリカ向けに作ったプロダクトなので、日本の商品をアメリカで売ったというわけではありませんが、このプロジェクトから学べることがあると思うのでシェアしていきます。
さて、この商品のローンチと同時にプロモーションをかけて行こうという話になりました。
打った施策は次の通り
1. Amazon.com への出店
2. Amazonのプラットフォーム内の広告出稿
3. 独自ドメインのランディングページの作成 (Shopifyのカート機能をつけた簡単なもの)
4. Facebook, Instagram, Googleでの広告出稿
5. 業界特化型のオンライン媒体のメディアバイ
みなさん周知の通り、アメリカでのオンライン小売市場のおよそ半数はAmazon.comが牛耳っており、リテーラーとしては外せないプラットフォーム。また、出店すること自体はそこまで大変ではありません。
今回のプロジェクトは予算が限られているので、なんとか獲得単価を抑えつつ売上に繋がる打ち手を見つけることが最優先でした。
当初はAmazon.comを軸に、集客をかけることになるだろうとなんとなく予想していました。しかし、実際にやってみるとこれが予想に反する結果となりました。
結果は、Facebook, Instagramの広告経由でランディングページからの購入がほとんど。
ランディングページを通して、間接的にAmazon.comでの売上は発生したものの、Amazon.comだけで発生した売上はありませんでした。Amazon内の広告を回しても、商品のページビューは増えるが一向に売上には結び付かずという結果になりました。
この結果になった理由を考察すると、ランディングページだと、「そもそもこの商品は何なのか?」「なぜ、この商品は良いのか?」「なぜこの商品を開発しようと思ったのか?」といった部分を、ビジュアルを交えてストーリー立ててうまく説明できる点がよかったのだと見ています。
繰り返しになりますが、一目見ただけだとどういう風に使うのかよくわからない商品です。
Amazon.comの仕様だと、どうしてもビジュアルの部分やストーリーを語る部分が弱く、機能やスペックの説明に終始してしまいます。そこが商品の性質と合わなかったのかなと思います。
この経験から、今後アメリカで認知されていない商品、そして市場に類似商品が存在しない商品を売ろうとする場合はAmazon.comだけで販売するのは難しいと感じています。
もし、アメリカでの物流面の課題を解決するためにAmazon.comを利用する場合は、別にランディングページなどを作って、ランディングページを使ってプロモーション、購入や物流の部分だけをAmazon.comを使う、ある程度売上規模が見込めるようになったら、Shopifyのカート + 自社で物流手配の流れに持っていくのが良いのではと思います。
今回の事例のように、「市場に他に類似商品が存在せず、一目見ただけだとどういう風に使うのかよくわからない商品」の場合はそもそも、ニーズがあるかどうかのテストすらできずに終わってしまう可能性もあります。
「Amazon.comで売れなかった = アメリカではニーズがない」という結論にはならないからです。もう少し伝え方・売り方を工夫すればニーズが存在していた可能性があります。
自社の商品の性質を見極めて、Amazon.comだけで販売すべきか、それとも別にランディングページを作ってプロモーションをすべきか改めて検討して見ることをオススメします。
まとめ
今回は「小売のアメリカ進出のテストマーケティングには Amazon.comへの出品+αが必要だと思う理由」についてご紹介しました。いかがだったでしょうか?
次回のテーマはまだ未定です。
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